最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)1916 判決
主 文
本件各上告を棄却する。
理 由
弁護人高見之忠の上告趣意(後記)について。
所論第一点は、判断遺脱の違法があるから、憲法第三二条に反するというのであ
るが、原判決は、第一審判決が「被告人らは共同して」と認定したのは、「犯意を
共通にして」との意であり、その証拠がある旨判断しているのであつて、判断の遺
脱がないから、憲法第三二条に反するという論旨は、その前提を欠く(憲法第三二
条については、昭和二三年(れ)第五一二号同二四年三月二三日大法廷判決判例集
三巻三号三五二頁は、憲法第三二条の法意は、国民が憲法又は法律で定める裁判所
以外の機関によつて裁判されない保障をしているに止まる旨判示している。)
所論第二点は、事実誤認又は理由不備の主張であり同第三点は、事実誤認を前提
とする法令適用の誤を論ずるに止まり、また同第四点も事案誤認の主張であつて、
いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
所論第五点は、窃盗につき所有者の判示のないときは、窃盗の判示にならないと
いうのであるが、窃盗罪の判示に当つては、被告人以外の所有、占有物たることが
判れば足りるのであるから、その前提自体が誤つており、憲法三九条違反の点はそ
の前提を欠き理由がない。
所論第六点は、量刑不当の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
また記録を精査しても、同四一一条を適用すべきものとは認められない。
よつて同四〇八条により主文のとおり判決する。
この判決は、裁判官全員一致の意見である。
昭和二七年一二月九日
最高裁判所第三小法廷
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裁判長裁判官 井 上 登
裁判官 島 保
裁判官 河 村 又 介
裁判官 小 林 俊 三
裁判官 本 村 善 太 郎
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